アメリカのセーフガード
アメリカのセーフガードが騒ぎになってますね。
経緯としては、太陽光パネルと洗濯機の輸入増大でアメリカ企業がダメージを受けたから、16年ぶりにセーフガードを発動するということ。
洗濯機はワールプール、太陽光パネルはSunivaとSolar-Worldがセーフガードの要望をしたとのこと。
米国:16年ぶりセーフガード発動 太陽光パネルなどに - 毎日新聞
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米太陽光パネル大手が国内投資計画を延期、トランプのセーフガードで被害被るとして | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
洗濯機はLGとサムスンが文句を言ってるようだけどまあいいとして、
面白いのは太陽光パネルの方ですね。
アメリカの太陽エネルギー産業協会(SEIA)はこれに反対しています。パネルが安く手に入ったらパネルを使う産業に従事している人たちにはお得ですから。例えば設置業やメガソーラーとかね。
一番安い中国製のパネルに大きな関税が掛かったら、全体の価格が1段上がるから、太陽光の普及の足かせにもなるからね
産業全体を考えてる太陽エネルギー何とか協会みたいなところは、どこのパネルでも良いわけです。普及するほうが、産業が活性化するほうが優先。
あと、すごく面白いんだけど、アメリカ大手のパネルメーカーにも反対してるとこがあります
米太陽光パネル大手が国内投資計画を延期、トランプのセーフガードで被害被るとして | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
え?なんで?と思うんですけど、これが面白いとこで、
今回の規制は中国製の安価な結晶シリコン系をターゲットにしてます。中国製(とかアジアで作られてる安い)パネルって大体結晶シリコン系なんですよ。
この記事のサンパワーさんは、結晶シリコン系をアジア圏で安く作って国内に送ってたんです。ただ、国内でまた加工して高付加価値化して出荷してるから、適用を除外してくれえ~と泣いているのが上の記事です。
上の記事は、なるほどお~、アジアで作ってるメーカーは泣いてるのかあ~という感じなんですけど、
もっと面白いのがアジアで作ってるのに泣いてないメーカーがあることです。
それがさっきの記事で書かれてたファーストソーラーというメーカー。
さっきも言ったんですけど、今回の規制は中国製の安価な結晶シリコン系をターゲットにしてます。蛇足かもしれませんが、太陽光パネルにはほかに「薄膜系」というのがあります。
例えば「薄膜シリコン」・「化合物系」と言われるものがこれです。(薄膜シリコンはSharpなんかがやってました。)
ファーストソーラーはCdTe(カドミウムテルル)を使った化合物系で、薄膜系なんです。
なので、規制に引っ掛からないんです。マレーシアで作ってても!
今回はちょっと調べてたんだけど、立場が違えば言うことが違うというのが、本当に分かって面白いです。
今後もどうなるか楽しみですね~。